SalesforceとNotionの使い分けと連携——役割の違い、判断基準、連携のメリット
SalesforceとNotionは、どちらも顧客や案件の情報を扱えます。そのため「どちらを使えばいいのか」「両方使うならどう分けるのか」で迷う企業が増えています。結論から言うと、2つは競合ではなく、役割が違うツールです。Salesforceは「結果」を管理し、Notionは結果に至るまでの「過程」を残して質を上げる。この記事では、使い分けの判断基準と、連携して活用するメリットやポイントを整理します。
結論:Salesforceは「結果」、Notionは「過程」
Salesforceは、商談の金額やフェーズ、受注予定日など、数字で表せる「結果」を正確に管理し、集計・予測するのが得意です。項目が決まっているからこそ、レポートやダッシュボードで経営判断に使えます。
Notionは、議事録、顧客理解のメモ、提案の検討過程、社内ナレッジなど、形が決まっていない「過程」の情報を書き、つなぎ、探すのが得意です。ページとデータベースを自由に組み合わせられるので、営業のやり方そのものを型にして共有できます。
Modelistでは、この2つをSalesforce=Result CRM、Notion=Process CRMと呼び分けています。役割が違うので、どちらかに寄せるのではなく、両輪で回すのがおすすめです。
SalesforceとNotionの役割の違い
| 観点 | Salesforce | Notion |
|---|---|---|
| 得意な情報 | 金額・フェーズ・確度など定型の数値 | 議事録・メモ・提案過程など非定型の文章 |
| 主な役割 | 結果の管理、集計、売上予測 | 過程の蓄積、ナレッジ共有、やり方の型化 |
| 主な使い手 | 経営層・マネージャーが見て、営業が入力する | 営業・CS・企画など現場が書いて使う |
| 構造 | オブジェクトと項目があらかじめ決まっている | ページとデータベースを自由に組める |
| 強み | 権限・ワークフロー・レポートが堅牢 | 書きやすさ、情報のつながり、AIとの組み合わせ |
| 苦手なこと | 自由記述の情報を育てること | 大量データの厳密な集計や予測 |
SalesforceとNotionの使い分けの判断基準
情報をどちらに置くか迷ったときは、次の3つの問いで判断します。
- その情報を集計し、数字で判断するか? するならSalesforce、しないならNotion。
- 形式が決まっているか? 項目で表せるならSalesforce、文章や図で残したいならNotion。
- 誰のための情報か? 経営判断や予測のためならSalesforce、現場が次の行動を決めるためならNotion。
| 情報の例 | 置き場所 |
|---|---|
| 商談金額・フェーズ・受注予定日 | Salesforce |
| 売上予測・パイプラインのレポート | Salesforce |
| 取引先・担当者の基本情報 | Salesforce(Notionから参照) |
| 商談の議事録・ヒアリングメモ | Notion |
| 提案の検討過程・競合の情報 | Notion |
| トークスクリプト・成功事例・営業のノウハウ | Notion |
迷ったら「Salesforceには結果だけ」を原則にすると、Salesforceの項目が増えすぎるのを防げます。
SalesforceとNotionを連携するメリット
入力の負担が減り、Salesforceの精度が上がる
過程の情報をNotionに書く運用にすると、Salesforceに入れるのは結果の数字だけになります。入力が軽くなったぶん、数字の更新が早く、正確になります。
営業のやり方が組織に残る
議事録や提案の過程がNotionにたまると、トップ営業の進め方がほかのメンバーにも見えるようになります。属人化していたノウハウを、型として共有できます。
AIの精度が上がる
AIの回答の質は、与える文脈(コンテキスト)で決まります。過程の情報がNotionにつながった状態でたまっていくと、商談準備や提案のたたき台をAIに任せやすくなります。
これまでのSalesforceへの投資が活きる
Salesforceを置き換える必要はありません。いまのデータとレポートはそのままに、苦手な領域だけをNotionで補います。
SalesforceとNotionの連携方法
連携の方法は、目的と規模に合わせて選びます。
- 共通のキーで結びつける:取引先名や企業ID、名刺情報を共通のキーにして、Notionの顧客ページとSalesforceの取引先・商談を対応させます。まずはリンクで行き来できるだけでも効果があります。
- 連携ツールを使う:ZapierやMakeなどの連携ツールを使えば、Salesforceで商談が作られたらNotionにページを作る、といった自動化ができます。
- APIで連携する:SalesforceとNotionはどちらもAPIを公開しています。データ量が多い場合や細かい制御が必要な場合は、APIで同期の仕組みを組みます。
どの方法でも、項目ごとに「どちらのデータを正とするか」を決めておくことが大切です。両方で同じ項目を編集できる状態にすると、データが食い違います。
SalesforceとNotionの連携・活用のポイント
- 正とするデータを決める。 金額やフェーズはSalesforce、議事録はNotionが正、のように項目ごとに決めます。
- 全部を同期しようとしない。 Notionに必要なのは、顧客ページを開いたときに見たい最低限の情報だけです。
- Notion側に型をつくる。 議事録や商談準備のテンプレートを用意し、誰が書いても同じ粒度で残るようにします。
- 権限を設計する。 顧客情報を扱うので、Notionでもページとデータベースの単位でアクセス権を分けます。
- 使い方を教える。 ツールを2つ使う理由と、どちらに何を書くのかを、研修やガイドで全員に伝えます。
SalesforceとNotionの活用例
実際の運用は、たとえば次のような流れになります。
- 商談前:Notionの顧客ページで過去の議事録と関係者のメモを確認し、AIで論点を整理する
- 商談中・直後:Notionの議事録テンプレートに記録する
- 商談後:議事録から、決まったこと(金額、次回の日程、フェーズの変化)だけをSalesforceに反映する
- 週次:Salesforceのパイプラインで数字を確認し、気になる商談はNotionの議事録で経緯をたどる
Modelistの支援先からは、「Salesforceのオブジェクト構造とNotionのデータベースを対比して説明していただき、ものすごく腹落ちしました」(株式会社フライク様)、「Salesforceが苦手な領域をNotionで代替するという考え方が特に学びになりました」(マネーフォワード様)といった声をいただいています。
YouTube・くれしまナレッジ【徹底解説】SalesforceとNotionの使い分け|Result CRM vs Process CRM18:10から「Result CRM vs Process CRM」を解説しています。よくある質問
SalesforceからNotionに乗り換えるべきですか?
乗り換える必要はありません。Salesforceは「結果」を管理する場所、Notionはその結果に至るまでの「質」を上げる場所です。役割が違うので、両輪で回すことをおすすめしています。
NotionだけでCRMの代わりになりますか?
小規模なチームや、定型の数値管理が少ない業務であれば、NotionだけでCRMを組むこともできます。一方で、大量の商談データの集計や厳密な売上予測が必要な場合は、Salesforceと組み合わせるほうが向いています。
SalesforceとNotionの連携に開発は必要ですか?
リンクで結びつけるだけなら開発は不要です。自動で同期したい場合は、ZapierやMakeなどの連携ツール、またはAPIを使った仕組みが必要になります。
ツールを2つ使うと、現場の負担が増えませんか?
置き場所のルールが決まっていれば、かえって負担は減ります。Salesforceに入れるのは結果だけになり、自由に書ける議事録はNotionにまとまるためです。ルールがあいまいなまま両方を使うと二重入力になるので、最初の設計が大切です。
SalesforceとNotionの使い分けを相談できますか?
はい。Modelistは、既存のSalesforceを残したまま、Notionと組み合わせて現場の業務プロセスごと設計し直す支援を行っています。企業情報や名刺情報を軸にしたデータ連携にも対応しています。

