本文へスキップ
SALESFORCE 活用

Salesforce活用の課題と解決策——定着しない原因から、経営判断に使える活用事例の特徴まで

株式会社Modelist

Salesforceを導入したのに、現場で使われない。データはあるのに、経営判断の材料にならない。こうしたSalesforce活用の課題は、ツールの機能不足ではなく、入力の設計と運用の仕組みから生まれていることがほとんどです。Modelistの代表は、Salesforce Japanでプリセールスとして販売成績No.1を経験しています。その現場で見てきたことをもとに、活用が進まない原因と属人化の構造、そして解決策を整理します。

Salesforce活用でよくある課題

導入から1〜2年たった企業でよく聞くのは、次のような声です。

  • 入力が営業担当者まかせで、項目の埋まり具合が人によってバラバラ
  • 商談フェーズや確度の基準が担当者ごとに違い、パイプラインの数字が信用されない
  • 会議の前に、結局Excelで集計し直している
  • ダッシュボードはあるが、経営会議で誰も見ていない
  • 一部のできる人だけが使いこなし、ノウハウが共有されない

どれも「Salesforceが使いにくい」という話に見えますが、実際には機能の問題ではありません。課題は、何を・誰が・いつ入力し、その結果を何に使うのかという設計の側にあります。

Salesforce活用が進まない原因

原因1:入力する人にメリットがない

Salesforceのデータをいちばん使うのは、マネージャーや経営層です。一方で、入力するのは現場の営業担当者です。入力する人と使う人が違うため、現場から見ると「報告のための作業」になり、後回しにされます。

原因2:結果と過程が同じ場所に詰め込まれている

受注金額やフェーズといった「結果」の管理は、Salesforceの得意分野です。一方、商談の議事録、顧客の温度感、提案の試行錯誤といった「過程」の情報は形が決まっておらず、項目にしにくいものです。過程まで項目に押し込もうとすると入力項目が増え、入力の負担がさらに重くなります。

原因3:導入時の設計が運用まで届いていない

導入プロジェクトでは、オブジェクトや項目、レポートの設計に多くの時間が使われます。しかし、誰がどのタイミングで更新するのか、更新されなかったときにどうするのかといった運用ルールは後回しになりがちです。システムは完成しても、使い方が決まらないままリリースされます。

原因4:活用の目的が経営判断とつながっていない

「とりあえず全商談を入れる」から始めると、何のためのデータなのかが現場に伝わりません。どの会議で、どの数字を見て、何を判断するのか。ここが決まっていなければ、入力の精度を上げる理由もありません。

Salesforce活用の課題の根っこにある「属人化」

活用が進まない組織に共通するのが、営業活動の属人化です。トップ営業がどう顧客を見立て、どんな順番で提案しているのか。そのやり方は本人の頭の中や個人のメモにあり、Salesforceには結果だけが残ります。

属人化には2つの層があります。

  • 情報の属人化:顧客とのやり取りや経緯が、個人のメール・メモ・記憶にしかない。担当が替わると引き継げない。
  • やり方の属人化:成果を出す人の判断基準や進め方が言葉になっていない。ほかのメンバーが再現できない。

Salesforceは情報の属人化をある程度防げますが、やり方の属人化を解くのは得意ではありません。トップパフォーマーの「当たり前」を型にして共有するには、議事録や提案の過程を自由な形でため、検索・参照できる場所が別に必要です。

Salesforce活用の解決策

解決策1:Salesforceで管理する範囲を「結果」に絞る

金額、フェーズ、受注予定日、確度など、経営判断に使う項目に絞ります。項目が少なければ入力は早く終わり、そのぶん精度が上がります。

解決策2:過程の情報は、書きやすい別の場所に残す

議事録、ヒアリングメモ、提案の検討過程は、形式にしばられずに書ける場所に残します。Modelistでは、この「過程」の受け皿としてNotionを使い、Salesforceと役割を分けて運用することをおすすめしています。詳しくはSalesforceとNotionの使い分けと連携で解説しています。

解決策3:入力した人が得をする仕組みにする

入力した内容から、次の商談の準備や提案書のたたき台が出てくる。過去の似た案件がすぐ見つかる。入力が「報告」ではなく「自分の仕事の準備」になると、入力率は自然に上がります。入力されない問題の対策はSalesforceに入力されない理由と対策でまとめています。

解決策4:会議とダッシュボードをセットで決める

週次の営業会議ではこのレポート、月次の経営会議ではこのダッシュボードを見る、と決めます。会議でSalesforceの画面をそのまま映し、Excelでの集計し直しをやめると、データを更新する理由がはっきりします。

解決策5:トップの型をテンプレートにして配る

できる人の商談準備や議事録の書き方を、型・ガイド・サンプルの形にまとめ、全員が使えるようにします。属人化していたやり方が、組織の標準になります。

Salesforce活用事例に共通する特徴

Salesforceを経営判断に使えている企業の活用事例を見ると、業種や規模が違っても共通する特徴があります。

  1. 入力項目が少ない。 管理する数字が絞り込まれていて、入力は数分で終わる。
  2. データを見る場が決まっている。 会議でSalesforceの画面を直接見ていて、手元の集計表がない。
  3. フェーズの定義が言葉になっている。 「提案中」「最終交渉」などの基準が全員で揃っている。
  4. 過程の情報の置き場がある。 議事録や顧客理解のメモが、Salesforceの外でも散らばらずにつながっている。
  5. 使い方を教える仕組みがある。 新しく入ったメンバーが、型と見本を見ながら同じ品質で動ける。

Modelistの支援先であるソニーネットワークコミュニケーションズ様では、商談ログを開発のバックログにつなげ、営業と開発が一体となる体制をつくりました。営業の現場で残した過程の情報が、ほかの部門でも使われるようになった例です。

経営判断に使えるSalesforce活用にするには

Salesforceのデータを経営判断に使うには、数字の「量」より「信頼性」が大事です。信頼できないパイプラインは、件数がどれだけあっても会議では使われません。

  • 経営会議で見る指標を3〜5個に絞り、その指標から逆算して入力項目を決める
  • フェーズと確度の定義を文書にして、判断が担当者ごとにぶれないようにする
  • 数字の背景(なぜ確度を下げたのか等)は項目ではなく議事録側に残し、リンクでたどれるようにする
  • 更新されていない商談がひと目でわかるビューをつくり、週次で棚卸しする

これからSalesforceを導入する企業が決めておくこと

導入前に次の4点を決めておくと、活用の段階でつまずきにくくなります。

  1. Salesforceで何を判断したいか(経営・マネージャー・現場それぞれ)
  2. Salesforceで管理しないもの(議事録、ナレッジ、社内のやり取りなど)の置き場
  3. 入力の責任者とタイミング
  4. 定着までの教育計画(操作説明だけでなく、なぜ入力するのかを伝える場)

すでに導入済みの場合も、この4点を見直すだけで活用度は変わります。

YouTube・くれしまナレッジSalesforce導入の成否を分ける「人材」の決定的な違い|元Salesforce No.1プリセールスが解説

よくある質問

Salesforceの活用が進まない一番の原因は何ですか?

入力する人と使う人が違い、現場に入力のメリットがないことです。機能の不足ではなく、入力の設計と運用の仕組みに原因があるケースがほとんどです。

Salesforceの属人化はどうすれば防げますか?

情報の属人化は、商談・顧客情報をSalesforceに集め、更新ルールを決めることで防げます。やり方の属人化は、トップ営業の進め方を型・ガイド・サンプルにして共有することで防げます。後者には、議事録や提案の過程をためられる場所が別に必要です。

Salesforceを経営判断に活用するには、何から始めればいいですか?

経営会議で見る指標を3〜5個に絞り、そこから逆算して入力項目とフェーズの定義を決めることから始めます。

導入済みのSalesforceを作り直す必要はありますか?

多くの場合、必要ありません。管理する範囲を結果に絞り、過程の情報の置き場を別に設けるだけで、入力の負担と活用度は大きく変わります。

Salesforceの活用について相談できますか?

はい。Modelistは、既存のSalesforceを残したまま、Notionと組み合わせて現場の業務プロセスごと設計し直す支援を行っています。

CONTACT

御社の場合はどうするか、30分で一緒に整理します。

Salesforceを残したまま運用を立て直すのか、Notionを業務基盤にするのか、研修から始めるのか。現在地をお聞きして、進め方をご提案します。

お問い合わせ30分・オンライン